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女神の乳房 第29話

2008/04/26 17:57 

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 蜜壺を満たしている男の硬直したものが、火かき棒のように裕美子の中をグリグリとかき回す。
「あ……、ふうっ! ああ……あああ……」
 かすれ声で喘ぎながら男の耳にしゃぶりついた。何かにつかまっていないと、何かをくわえていないと、我を忘れてしまいそうで怖かったのだ。
 ゆっくりとした動きで男が身体を預けてくる。裕美子もその重みを受け止め、しなやかにベッドに倒れ込んだ。柔らかいクッションが二人の身体を包み、弾む。
「裕美子さん……」
 男はベッドに手をついて抜き差しを開始する。抜くときはそっと、そして差し込むときはバシンと体がぶつかる音がするくらいに素早く、力強く。
「あっ、あっ、ああっ! あっ……、ああ……、おおおぅ! おおっ!」
 激しくリズミカルな律動に、裕美子も男の首に手を廻し、獣の咆哮のような喘ぎで応えた。
 溢れ出る蜜にまみれた二人のそこが、グチュグチュと淫靡な音を立てる。裕美子は大きくのけぞり、蜜壺に力を入れて男のものを締めつけた。そうすると抜き差しのときの摩擦が増し、快感がさらに強くなるのだ。
「ああ……、裕美子さんのココ、凄く締まってる……」
 煮えたぎるような感触に男は声を洩らした。濡れた柔肉がギュッと吸い付いてくるのだ。
「う……、本当に、いいよ……」
 うめきながら男は乳房に顔を埋めた。逞しい腰の動きはそのままだ。裕美子も大きく開いた足をベッドに突っ張り、男の頭を自分の乳房に押しつけるように抱えこんだ。
「ああああ! すごいっ、あなたのが凄いわっ!」
 首を振って悶えた。疲れを知らない男の動きに、裕美子は身体がバラバラになりそうだった。
「ああうぅ! いいっ、いいっ! 凄いのが来るぅ!」
 突っ張った足を支点にブリッジのように腰を浮かせ、女体を弓なりにさせた。彼女の頭の中では何連発もの花火が打ち上げられ、薄れていく意識を鮮やかに彩った。
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「ううぅ、あああっ! だめ、だめっ! はあ……んっ!」
 艶やかな黒髪が乱れ、裕美子は泣くような声で二度目の絶頂へと昇りつめていく。
「裕美子さん、裕美子さん、好きだ……」
 ゆっくりとした、それでいて大きな動きが、小刻みで速い動きに変わる。男も高まっているのであろう、裕美子に締めつけられている硬直がピクンピクンと脈を打っている。その脈ひとつが高ぶる肉体に電流を走らせるのだ。
「あっ、あっ、好きよっ! 好きよっ! ああっ、もう……、いくわぁ……」
 全身を波打たせ、男の腰に太ももを絡みつけた。
 裕美子は生まれて初めて「いく」という言葉を発した。夫の前でも、以前の恋人渉との時でも出ることのなかった言葉だ。
 わずかばかり残った羞恥が裕美子を責め、それを体内に押し込むように男の身体を抱きしめた。絡めた足の指先までもが、激しく折れ曲がっている。
「裕美子さんっ! ああっ、裕美子さん! 愛してる!」
「好きっ、好きぃ! 愛してるわっ、愛してるわっ!」
 絶叫しながら男を強烈に締めつけた。
「ああああ……、おおっ、おおおぉ!」
 狂おしいほどの叫びとともに裕美子は身体を痙攣させた。男もウッという声とともに、女神への供物としての精を一気に注ぎ込んだ。
 その供物をしっかりと受け止めた瞬間、裕美子の脳裏に虹がかかり、そして闇が訪れた。深く、終わりのない闇だった。


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女神の乳房 第28話

2008/04/24 17:33 

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「うっ、あああ……ん……。あっ、あっ、ああああ……」
 激しく首を振りながらのけぞり、十日ぶりに訪れる快感に我を忘れた。シーツをつかんだ両の拳には青い血管が浮かび上がっていた。
「あっ、あっ、く……、狂っちゃうぅ!」
「あなたのここを誰にも渡したくない……」
 くぐもった男の声。指と舌を入り混じらせて交互に責める。
「こ、こんなの……。あっ、だめよっ、だめよっ! うっ、うっ、ううっ!」
 ひときわ大きな声を上げ、身体を弓のようにしたかと思うと、裕美子はぐったりとなった。
 呼吸が乱れ、激しく胸を上下させている。昇りつめたようだが、それでも男が舌を触れさせると、身体は大きく反応した。
 裕美子の股間から顔を上げて大きく息をつくと、男はベッドに横になった。添い寝の形で黒髪を撫でる。放心したような裕美子は、足を開いたまま余韻に浸っていた。
 眠っていた官能を支配する神経が、前回の男の愛撫で目覚めたのか、自分自身でも考えられないほどの昂ぶりだ。例は悪いかもしれないが、新車時に試乗程度しか走ってなく、そのまま中古車市場に並んだ新古車。それが裕美子の肉体ではないだろうか。三十四歳になった今、ようやく慣らし運転を終え、これからその性能を最大限に発揮するのだ。年齢的にも、女として最も脂ののっている時期でもある。
「凄い……。何だか自分の身体じゃないみたい」
 ようやく裕美子は目を開けた。その黒い瞳からは、驚きと悦びの感情が読み取れた。




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女神の乳房 第27話

2008/04/23 14:14 


 ホテルの駐車場ではなく、歩いて五分ほどの有料駐車場に車を置いた。駅を利用するときにも使う所だ。もし誰かに車を見られても不審を抱かれないようにとの配慮からだった。
 車から出てコートをはおる。かえって目立つかもしれないと思ったが、サングラスをかけた。化粧も濃く、服装も派手なので、ふだんの裕美子とは違った装いだ。知り合いに見られても気づかれないかもしれない。
 コツコツとヒールを鳴らし、軽やかな足取りでホテルへ向かう。今日はこの冬一番の冷えこみらしいが、頬を撫でる氷のように冷たい風も、すでに火照り始めている裕美子の肌にはむしろ心地よかった。
 先日と同じく、ロビーは待ち合わせの人々で賑やかだった。
(この中にもわたしと同じ様な目的の人たちもいるのよね)
 身なりを整えた自分と同年輩の何人かの女性を見て思った。自分だけが変わったこと、反道徳的なことしているのではないと言い聞かせたのだ。
 ロビーを素通りし、エレベーターに乗り込んだ。九階のボタンを押した時、閉まろうとするドアの隙間から顔見知りの女性の姿が視界に飛び込んできた。
アッ、と思わず声が出てしまう。それほど意外な人物だったのだ。
 着飾ったその表情からは、裕美子の知っている姿とは別人のような妖艶さをにじみ出させていた。
(美登里さん……)
 横顔をわずかに見ただけなのだが間違いない。何と言っても義理の息子の婚約者だ。いくら裕美子が浮き足立った気持ちでいるとしても、さすがに見間違えることはない。
(何でこんな所に……。貴彦さんとデートなのかしら……)
 見てはいけないものを見てしまったような思いだった。貴彦から紹介されて、その後も何度か会っているが、人ごみの中を闊歩する今日の美登里は、服装だけでなく雰囲気までもどこか違っている感じだった。
(でも美登里さんに間違いないわ……)
 裕美子の疑念をよそに、エレベーターは九階への到着のチャイムを鳴らした。開いたドアの向こうには、静まりかえった廊下が伸びている。
(何だか別人みたい……。まあいいわ……、今のことはしばらく忘れないと)
 903号室の前に立ち、軽くノックをしながら考えた。
 厚いカーテンに包まれた部屋。ソファやベッドの位置、そして薄い照明、すべてがこの前と同じだった。

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女神の乳房 第26話

2008/04/16 15:27 

「もう十日……。やっぱり本当に一度っきりってことなのかしら……」
 夫を会社まで送って行った帰りの車中で、裕美子はため息と一緒に吐き出した。
 若い妻に送ってもらうのが嬉しいらしく、夫は週に何度かは裕美子に送迎を頼んだ。
 県外のある町の再開発事業を引き受けたらしく、「僕の生涯で最大の仕事になると思う」そう喜んでいた。地元の住民や商店街との打ち合わせ、下請け業者の手配など、精力的な活動を続けていた。男として充実した毎日を送っているのだろう、最近は何だか若返っているように感じられた。
(そんな元気があるのに……。何故わたしには……ダメなのかしら)
 いつもの疑問だったが、今回は少し感じ方が違っていた。不満をぶつけるのではなく、夫の肉体への純粋な疑問になりつつあった。あの日以来、自分自身に少しだけ余裕を感じることができるようになったのだ。
(もしかして本当は治ってるんじゃないかしら? 治ってるのにわたしに黙ってるのかも……)
 違った角度から推測してみた。徹夜も平気で仕事をこなす夫が、今も性的に不能とはどうしても考えられない。
(それなら何故わたしに黙ってるの? わたしに隠してるなんて、それこそ考えられない……)
 そんな事を思いながらも、
「身体には気をつけて下さいね」
 後姿の夫にそう声をかけるのが精一杯だった。




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女神の乳房 第25話

2008/04/14 21:27 



 年齢を感じさせない男の激しい動きに、女の身体は敏感に反応していた。舌でのねっとりとした愛撫で何度か昇りつめ、焦らされたすえの挿入に身体が素直に悦んでいた。
 この男を自宅に招き入れたのはこれで三度目だ。だが今日ほど身体が燃え上がっているのは初めてだった。いつもは悠々と独りで寝ているセミダブルのベッドが狭く感じられるほど、女は身体をくねらせて悶えた。
 激しさと柔らかさを兼ねそなえた男の動きは、年齢どおりの女性経験を感じさせた。硬さはそれほどないが、蜜壺の壁にぴったりと張りついた男のそれは、蛇のようにクネクネと動く。
「ああ……、いいっ、いいわっ!」
 女が身体を反らせると、豊かな乳房がグイッと張り出してくる。小麦色の乳房は焼きたてのパンのように柔らかく弾力もあった。パンの上にのっている干し葡萄のような乳首を軽く吸われる。
「ううっ!」
 声を洩らす女の背中に手を廻し、力強く抱き上げた。ベッドに向かいあって座る形になり、その弾みを利用して男は下から突き上げる。
「ああうっ! あっ、あっ、あっ……、ああっ!」
 小気味良い律動に、女もリズミカルな喘ぎで応えた。男の頭を抱き寄せて乳房を押しつける。乳房は大きさも形も女が最も自信をもっている部分なのだ。

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 乳房の弾力と柔らかさを味わうように男は顔をこすりつける。髪には少し白いものも混じっているが、肌のツヤや筋肉はまだ若々しい。
「素敵だよ……」
 乳房の中から男が苦しそうに声を上げる。
「あ……、あなたも素敵よっ! とっても若々しい!」
 くっきりと描いた眉を寄せ、女も泣き顔のような表情で歓喜の声を上げた。
 その声に触発された男は腰を前後左右に振る。根元まで入れたもので女の蜜壺をかき回した。少し前まで不能だったとは思えないほどの逞しさで女を責める。
「あぅ! くぅっ……、ううううぅ…!」
 頭を跳ね上げ、女は声を震わせる。自分から腰をすり寄せて男の動きを逃すまいとした。さすがに男も息が荒い。
「ああっ、凄いわっ! 最高よっ!」
 男のものをしっかりと包んだ女の泉からは、熱い悦びの証がとめどなく流れ出し、褐色の肌からは雌の匂いが立ち昇る。



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女神の乳房 第24話

2008/04/12 09:35 



 何年もの間、心に重く沈んでいたものが取り払われ、本当ならすがすがしい気分になるはずなのだが、裕美子の心は晴れなかった。
 夫が出張から帰って来たのは、男と密会した翌日だった。いくら一度きりの関係とはいえ、夫を裏切ったのは確かだ。それも脅されたわけでもなく、明らかに自分の意思で男の胸に飛び込んだのだ。しかも思いっきり乱れ、そして狂うほどに悦んだのだ。そんな思いが夫に対して大きな罪悪感となって裕美子にのしかかってくる。
 いったいどんな顔をして出迎えようか、どういう表情で接しようかなどと一日中思い悩んだ。しかし実際に夫と顔を会わせてみると、自分でも意外なほど普段どおりに接することができたのだ。夫も当然ながら微塵も不信感をもっておらず、あい変らず優しく穏やかだった。
(あなた、ごめんなさい……)
 裕美子は心の中で夫に手を合わせた。何不自由のない豊かな生活。不満を言うだけでバチがあたる、それが他の男に抱かれてしまうなんて……。
(でも……、彼は素敵だった……。あなたには申し訳ないと思うけど……)
 消えかけていた官能に火が燈り、あの日以来、身体が疼くこともある。今までは感じなかった衝動だった。むしろ三十四歳の女なら当然のことかもしれない。
(身体だけじゃない。確かに彼は素敵だったし、わたしは何度も昇りつめた。魂が揺さぶられるほどの悦びだったのは間違いない。でも……、でも彼にはわたしに対する愛があった。愛があったのよ。小手先の技巧、肉体の結合だけでなく、魂と魂の触れ合いがあった。お互いの魂が共鳴して、それが二人の身体に結びついて、そしてあの感動が得られたんだわ)
 あの時間を思い返すたびに身体が熱くなる。肌が火照るというよりも、身体の奥から沸々とマグマのように湧きあがってくるものがあるのだ。
(彼はいったいどういう人なのか)
 何度も思った疑問だった……。



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女神の乳房 第23話

2008/04/11 21:31 



 どれくらいたったのだろうか。
 裕美子が目を覚ましたときには男の姿はなかった。全裸の身体には薄い毛布が掛けてあり、閉じられたカーテンの隙間から、夜の街の明かりが少しだけ差し込んでいる。
(わたし……、気を失っていたのかしら……。彼、帰っちゃったのね……)
 ゆっくりと身体を起こしてみる。汗ばんだ全身は心地よい気だるさに包み込まれていた。下半身には、まだ男の塊が残っているような感触があった。望外の悦びを与えられ、いつの間にか「あの男」という呼び方が「彼」に変わっていた。
(いやだわ……、恥ずかしい……)
 男と絡み合った自分の姿を思い出し、独り顔を赤らめた。
 激しい愛撫に喜悦の声を上げていた自分、腰を振りながら悶えていた自分、必死に男にしがみついていた自分、さまざまな痴態が脳裏に浮かび、よみがえった羞恥心が裕美子を責める。
(もしかして声が隣に聞こえたりしてないかしら……。でも素敵だった……)
 隅々まで触られ、舐められた自分の肌をさすりながら、しみじみと余韻に浸った。
(そうだ、今、何時なのかしら)
 枕もとの小さな照明を点け、時計を見る。
「六時すぎか……」
 声に出して呟いてみる。
 男と待ち合わせたのが一時で、実際にベッドに入ったのが一時半ぐらいだろうか。その後はめくるめく快感に包まれ、時間など覚えていない。
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(二時間ぐらいは気を失っていたのかしら……)
 ベッドから出てバスローブをはおる。男が用意しておいてくれたのか、それは手を伸ばせば届くところに置いてあった。
(いったいどんな人なんだろう……)
 バスルームに向かいながら思った。男に対する恐怖や不審はすでになくなり、代わりに興味が湧いてきたのだ。
(わたしも少しは飢えていたかもしれないけど……、でも素敵だった……)
 久しぶりだったとはいえ、初めてのベッドインで女をこれほどまで燃えさせた男の情熱と技巧に、裕美子は感心していた。
 熱いシャワーを浴び、まとわりついた汗を流すと少しは身体がシャキッとしてきた。着替えるために部屋の照明を点けた。隅々までいきわたる明かりが裕美子を夢から現実へと引き戻した。
 ふとテーブルに目をやると、手紙が置かれていることに気がついた。部屋に備えつけの便箋で、裕美子のもとに届いた手紙と同じ達筆だった。男が書いたものに間違いない。

 裕美子様

 貴女のおかげで素晴らしい時を過ごすことができました。眩いばかりに光り輝く星のような貴女を、遠くから見つめているだけでなく、この腕に抱くことができたなんて夢のようです。
 わたしの思っていた通り貴女は女神でした。心も声も、身体も匂いも、すべてにおいてわたしを夢中にさせました。貴女と身も心も溶け合い、触れ合うことができ、感謝の言葉もありません。
 貴女と秘密を共有できたことを嬉しく思います。二度と貴女の前に姿を現すことはないでしょうが、身体に気をつけて、いつまでも美しく、わたしの女神でいてくれることを祈っています。

追伸 
 勝手に帰る失礼をお許し下さい。本当はもっとお話をしたかったのですが、貴女と離れられなくなるのが怖いのです。それから宿泊料金をすでに支払ってありますので、ゆっくりと休んでからお帰り下さい。

 歯の浮くような言葉が並べ立てられた熱烈な愛の告白であり、決別の手紙であった。文面から男の匂いが立ち昇っているようだった。裕美子も男ともう少し話をしてみたいと思ったが、連絡先はわからない。わけのわからない寂寥感が身体を包んだ。
 ふうっ、とひとつため息をつき、
「そうか……」
 と呟いた。
 便箋を丁寧に四つ折りにして財布の中に思い出とともにしまい込む。着替えと化粧を済ませ、裕美子は忘れかけていた官能を呼び戻してくれた空間に別れを告げた。


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女神の乳房 第22話

2008/04/10 20:58 



「い……、いいっ! ああ、いいっ!」
 首を振りながら指を噛む。
 裕美子の連続した甲高い喘ぎは、室内に響き渡る木霊のようだ。淫らな格好をしている、夫を裏切っている、そんな思いとは裏腹に口から出るのは悦びの言葉ばかりだった。
 いったん動きを止めた男に裕美子は四つん這いにさせられた。
 手をつき、膝をついた獣のような姿勢だ。我を忘れるほどの快感を与えてくれる男に、裕美子はどんな要求も受け入れるつもりだった。
「あううっ! ああっ!」
 後ろからの挿入に、裕美子は声をほとばしらせた。
 正面からとはまた違った感覚で、少しきついような気がしたが、男のやさしい律動がそれを悦びに変えていった。
「あっ、あっ、あっ、ああっ……」
 ゆっくりした突き上げで、蜜壺の中をかき回される。連続した喘ぎを洩らし、シーツを握り締める。裕美子は男のものをすっぽりと包み込み、じわじわと締め付けていく。
「裕美子さん、凄い……、締めつけてくる……」
 上ずった声で呟きながらも男はグングンと突き上げてくる。放り出されるような感覚には恐怖を感じたが、しっかりと腰をつかんでいる男の手がわずかながら安心感を与えていた。
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「ああ……ん! こんなの……、ああっ、こんな……」
 機械のように首を振りながら裕美子は喘いだ。長い黒髪が乱れ、汗を浮べた額や頬にまとわりつく。
 リズムの良い男の動きに合わせ、裕美子も満月のように豊潤な尻をくねらせた。男の硬いものが蜜壺の側面を刺激すると、
「く……、くうっ、何これ……! あ……、ああっ、凄い……わっ!」
 言葉にならない声が吐き出された。
 日頃スポーツクラブで鍛えている成果だろう、四つん這いになっても裕美子の乳房は垂れ下がって崩れることがない。お椀をひっくり返したような形を保ち、しっかりと胸部に根づいている。その乳房が男の両手に包み込まれる。高価な陶器を撫でるような柔らかな手つきでゆっくりと揉まれる。指に挟まれた葡萄のような乳首は、しっかりと硬くなっていた。
「裕美子さん、素敵だ、最高だ」
 背中に覆いかぶさり、裕美子の耳に息を吹きかけながら囁く。
「ひっ、ひいっ! あ……ひぃ!」
 馬のいななきのような声が上がった時、男の指先は裕美子の股間の奥、繁みにかくまわれた中心部に触れていた。人差し指と薬指で肉襞を押し広げられ、中指が尺取虫のように真珠の周りを蠢く。柔らかく淫靡な動きに、裕美子の身体は痙攣を起したように震え出した。
「こんなに……、こんなに硬くなってる……。裕美子さんも自分で触ってみて、こんなに硬い……」
 男に右手を取られて導かれた。ふさふさした繁み、しっとりと潤っている花芯、そして自分の最も敏感な部分の感触が指先から伝わってきた。
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「はあっ! あっ、ああっ!」
 自分で触る、裕美子にとって初めての経験だった。そこは小指の先ほどの大きさで、乳首のようにコリコリとしていた。指先を動かすたびに痺れに似たものが身体を貫く。
「どうです、自分で触ってみて……」
「いや……、恥ずかしいぃ……」
 真珠から手を離そうとするのを男の手が遮り、裕美子の手をつかんで激しく振動させた。
「ああっ! いやっ、ああああっ! いやぁ!」
 自慰をしているような自分の姿に、さらに昂ぶり喘いだ。片手では体重を支えられなくなり、ベッドに突っ伏した。腰だけは高々と突き上げた格好で枕に顔を埋める。
「女神の喘ぎ声だ……」
 満足げに呟くと、男は再び裕美子の細い腰を両手でつかんで大きく動き始めた。ゆっくりと抜き、素早く侵入する時に腰を引き寄せる。身体がぶつかり合う瞬間に、熱い塊の先端が裕美子の奥深くを刺激する。
「ああっ、奥までっ! 奥まで響くぅ!」
 裕美子の脳裏に男の硬直したものの形がくっきりと投影された。速射砲のような連続した律動に、自分の意思で真珠を押さえている指を動かした。
「うううっ! あうっ、いいっ! いいっ!」
 枕に埋めた顔を振り、シーツを握り締める。とめどなく溢れ出す熱い蜜が、自分の指先を伝わってきた。
「怖いわっ、怖いわっ! ああっ、怖いっ!」
 快感のあまり、自分の身体が浮き上がっていくような恐怖があった。初めての感覚に戸惑ってしまうのだ。
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 それを肌で感じたのか、男は裕美子から抜いてベッドに仰臥させ、それから再度挿入した。男の胸の下で裕美子の乳房がゴムマリのように弾み、汗ばんだ肌がさらに甘い芳香を立ち昇らせていた。腰だけを動かし、男は裕美子の首筋に唇を這わせる。
「はあっ! ああああっ……」
 叫びながら裕美子は男の背中に手を廻した。鼓動はこれ以上ないほど速くなり、呼吸をするのも忘れてしまいそうだ。言葉では表現できない未知の体験だった。
「あっ、あっ、あっ、だめっ、だめっ! もうだめよっ!」
 男の小刻みな動きがスピードを増した。泣くような声が裕美子の口から洩れ、男の背中に爪を立てる。
「ああっ……、凄いのが……、凄いのが来るぅ!」
 この喘ぎが合図になって、裕美子の泉からは堰を切ったように大量の蜜が流れ出した。
「裕美子さん、ああ、いきそうだ……」
 息を弾ませ、耳もとで語りかける。男も寸前まできているらしく、我慢するのが苦しそうだ。腰の動きがさらに激しくなり、熱い塊が裕美子の中でさらに膨張した。開いた足を蛸のように男の身体にからませ、裕美子も男の動きに懸命に応えた。
「来てっ! 来てっ! 愛してるわっ!」
 喉をひくつかせながら叫んだ。喉だけではなく、全身がひきつけを起こしたようになった。悦びに打ち震える白い裸身は汗にまみれていた。頭の中では無数の色とりどりの蝶が飛び交い、一列になって虹を描いていた。
「愛してるよ……、裕美子……」
「ああ、来るわ、来るわっ! あ……、ひ、ひいぃ!」
 絶叫とともに全身が痙攣し、自分の中に男の熱い精が放たれたのを感じた。その瞬間、怒涛のような波が裕美子の意識を身体ごと飲み込んだ。男の肌に爪をくい込ませたまま、裕美子の脳裏に本当の闇が訪れた。



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女神の乳房 第21話

2008/04/09 21:12 



 すでに身体は熟し、男を受け入れる態勢はできている。裕美子自身も一気に突き立てて欲しいと思った。こんな愛撫が続くと失神してしまいそうだ。男は彼女の反応からそれを感じたのか、
「貴女の中に入りたい……」
 身体を起こし裕美子に重なりながら耳もとでささやいた。まだサングラスはかけているようだが、恋人のような甘い声だった。
「来て……。わたしも欲しいわ……、早く来て……」
 愛の告白のような男の言葉に、裕美子も素直に欲望を口にした。
 夫との間ではとても言えないセリフだが、恋人と愛を交わしている気持ちの彼女にとっては自然な答えだった。
 男は唇を重ね、先端を亀裂にあてがった。硬いものが触れた感触に続いて、快感というには強烈すぎるものが全身を貫いた。
「はあっ!」
 喉の奥にものが詰まったような声が裕美子の口から飛び出した。熱い塊に満たされ、息が止まるような思いだった。男のそれはゆっくりと根元まで入り、彼女の中で脈を打つ。
(ああ、満たされてる……。男の人が入っているわ……)
 股間から湧き上がる快感が、何か他人事のようだった。男の重み、吐息、そして充足感、まぎれもなく自分自身の身体なのだ、と認識するまで少し時間がかかった。
「自分が信じられない……。本当に貴女を抱いているなんて。遠くから眺めているだけの女神だった貴女が、今こうしてわたしの手の中にいる……。貴女の熱いものに包まれている……」
 吐息とともに裕美子の耳に吹きかけられた。
 男のものが脈を打つたびに女体に震えが走る。
(熱い……、硬くて熱いわ……)
 じわじわとこみ上げてくる快感を受け止めながら、裕美子は男の背中に手を廻してその肌の温もりを確かめた。
 浅くゆっくりと、感触を楽しむような男の動きに裕美子は腰をすり寄せる。弾力のある乳房をやさしく揉まれ、乳首を吸われた。男の指、肌からも愛情に似たものが感じられた。
(やっぱり信用して良かった……。この人は本当にわたしのことを思ってくれている……。自分の欲望を満たすよりも、わたしを悦ばせようとしてくれている……)
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 不意に男が愛しくなった。
 背中に廻した手に力を入れて男を抱き寄せ、自分から唇を求めた。積極的に舌をからめ、お互いの唾液を吸い合う。息苦しいほど激しいディープキスだ。歯と歯が当たり、カチカチと音を出す。
「素敵だ、裕美子さん……」
 唇を離した男は裕美子の髪を撫で、顔を付き合わせる。二人の吐息が混ざり合う距離だ。もう一度唇を合わせてから、男は裕美子の身体に舌を這わせる。
 首筋から鎖骨を舌が這う。白い肌にくっきりと浮き出た鎖骨のラインに沿って電流が走る。
「ううっ!」
 鎖骨の部分がこれほどの性感帯だとは思いもしなかった。男の愛撫は裕美子に新しい快感を与えていた。ほとんど全身を舐められているだろう。もちろん初めての体験だった。
「あっ、ああっ……。あっ、あっ……ん……ああっ!」
 いきなり真珠を触れられ、裕美子は泣くような声を上げた。ふやけるほどに舐められた真珠を挿入されたまま弄られているのだ。このまま続けられたらどうにかなってしまいそうだ。
「ああっ! だ、だめっ、ああ……、だめっ! あああああ……」
 男の指と腰の動きに合わせるように声が出てしまう。身体の昂ぶりに、のけぞりながら腰をくねらせる。妖艶な表情で三十四歳の成熟した白い肉体は悶えた。大地を這う白い大蛇のように。
「最高だ、裕美子さん。今の顔は女神そのものだ」
 指での愛撫を止め、男は裕美子の両足をグイッと大きく広げさせ、激しく腰を動かし始めた。
「あああ……、あうっ! いいっ、いいわっ!」
 足を開かされた自分の姿を思い浮かべると、突き上げられる快感がいっそう増すのだ。顔を歪ませ、裕美子の身体はさらに高い波に乗った。二人の身体がぶつかりあう振動で、乳房がブルブルと揺れる。
(こんなに乱れて……、主人に悪い……)
 夫の顔が頭の中に浮かんでくる。その幻影を振り払おうとする自分に、背徳的な快感を覚えた。



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女神の乳房 第20話

2008/04/08 17:41 


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 男の手がバスタオルを剥ぐと闇夜の蛍光とも思える裕美子の裸身が浮かび上がった。
 ほのかに匂いを放つ裸身。湿り気を帯びた熟女の肌が男の乾いた肌に触れる。男は唇を合わせたまま裕美子の身体を抱き上げた。軽々としたしぐさに逞しさを感じ、男の首に手を廻した。
 机の上の薄い明かりを頼りに、男は裕美子をベッドに降ろした。
「裕美子さん、ありがとう……」
 裕美子の髪を撫でながら言った。優しくいたわるような態度に、裕美子も恋人同士になったような気分にさせられていく。
(あなた……、ごめんなさい。この時間だけはあなたの妻ではなく、三十四歳の一人の女に戻らせて下さい。明日からはまた貞淑な妻でいますから……)
 夫に悪いと思いながらも裕美子は自分から男を抱き寄せ、その重みを受け止めた。
 久しく感じたことのない重量感だった。放たれた矢のように、彼女の気持ちは男へ向かってまっすぐに飛んで行くのだ……。
 


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女神の乳房 第19話

2008/04/07 08:43 



「それはノーという意味ですね」
 男の小さなため息が裕美子の耳に届いた。闇の中で大きな身体が縮んだように見えた。
「いえ……、少し、ほんの少し時間が欲しいだけなんです……」
 できるだけ男を興奮させないように、慎重に言葉を選ぶ。男と二人でホテルの一室にいるという事実を、裕美子は思い出した。もし力ずくでと考えれば、非力な彼女は太刀打ちできない。今までの話し振りからしても、男が暴力で裕美子を自由にしようとすることは考えにくいが、用心するに越したことはない。
「そうですか……」
 深々とため息をついた男は、ガックリと肩を落とした。まるでこの世の終わりを迎えたかのようだ。いや、この男にとっては本当に世界が崩れ落ちていくように感じられたのかもしれない。
「わたしには今だけなんです。明日はないんです……」
 どこか身体が悪いのか、いつ命が尽きてもおかしくないような言い方だ。
「それはどういう意味ですか? まさかお身体が……」
「いえ、そんな意味ではありません。あくまでわたしの気持ちの中でのことなんです……。残念……です……」
 男は裕美子に手を振りながら言う。
011.jpg

「時間はもらえないのですね」
「勝手なことを言うようですが、わたしには今しかないんです」
 裕美子は男に憐れみさえ感じた。これほど一心に、自分を思ってくれる男がいるだろうか、たとえそれが肉体的な欲望だけのものとはいえ……。それだけこの男は自分の身体を求めているのだ。「女冥利に尽きる」という言葉があれば、自分にピッタリだわ、そんな冗談が浮かぶほど嬉しかったのだ。
(わたしのことを女神のように思っているのだ、ならばそれに応えるのが女としての義務ではないか……?)
 裕美子は心を決めて立ち上がり、
「シャワーを使わせて下さい」
 はっきりと聞こえるように男に伝えた。言い終えたときに、すべての迷いが消えた。そしてこの時だけは道徳や常識も葬り去った。
 今度は男が驚く番だった。手の中から逃げ出そうとした美しい小鳥が、また自分のもとに戻ってきたのだ。
「わたしの身体であなたの気持ちが満たされるのなら……」
 言いながら恥ずかしくなった裕美子は逃げるようにユニットバスに駆け込んだ。手早く服を脱いでシャワーカーテンを引く。
2.jpg
 
 白い肌に熱いシャワーをあてると、それ以上に熱いものが身体の奥からこみ上げて来る。噴火する直前の火山のようなものだった。
(こんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。ましてシャワーを浴びようとは……)
 一人で顔を赤らめた。
 石鹸をたっぷりつけ、丁寧に身体を洗い流す。乳首がすでに堅くなっていて、裕美子は自分の興奮状態を自覚させられた。シャワーを止め、しっかりと化粧を直す。
 バスタオルを巻いて浴室を出た。薄暗い部屋でベッドに腰掛けていた男は、裕美子の姿を確認すると、立ち上がった。明るい浴室から出たばかりで、まだ暗闇に目が慣れていないが、男は全裸のようだった。しかしサングラスはつけたままだ。
「裕美子さん……」
 そう呟くと、男はいきなり裕美子を抱き寄せた。筋肉質の身体に力強く包み込まれ、思わず驚きの声を上げてしまった。彼女も男の腰に手を廻す。押しつけられた唇を、目を閉じて受けた。




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女神の乳房 第18話

2008/04/03 17:17 


「なぜわたしにそんなことを……」
 カラカラになった喉から声を絞り出した。
「前にも言いましたが、わたしはあの時の貴女の美貌、その女神のような美貌に魅入ってしまったのです。それ以来貴女のことが頭を離れませんでした。疑心暗鬼が生んだ妄想から貴女を救い出したかったのです」
「それでわたしを探してまで……」
「ええ、もちろんそんな義侠心ばかりじゃないですけどね。手紙に書いたように貴女の身体という最終的な目的がありますけど……」
 マスクの中の唇が微笑んでいるようだった。
「お水を一杯いただけません? あんまり突然の事で興奮しちゃって、喉がカラカラなんです」
 初めて裕美子は微笑を浮かべた。暗闇の中にほのかに燈る明かりのような、心からの笑顔だった。 男が注いだオレンジジュースを、裕美子は一気に飲み干した。喉に染みわたる冷たさが心地よく、つっかえていたものを流してくれるような気がした。
「なんてお礼を言ったらいいのか……」
 ハンカチで口もとをおさえながら言う。




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女神の乳房 第17話

2008/04/01 18:43 



 ウイークデイの昼間だが、Pホテルのロビーは混んでいた。スーツ姿の人が多く、ほとんどが会社関係の待ち合わせだろう。裕美子のように女一人で佇んでいる人も何人か居た。早めに出てきたので、約束の一時まで少し間がある。
 どの人だろうか、目立たないように人々を観察した。
 疑いの目で見ると、どの人も怪しく思えてくる。いったいどんな男なのだろうか、顔は、年齢は、体格は、職業は。さまざまな妄想が脳裏をよぎる。
 グレーのスーツの上に茶色のハーフコートをまとった裕美子には、ロビーの暖房が少しきつく感じられた。どんな男か分からないが、あまり変な格好もできない。どちらかといえば地味な色のスーツにしたのだ。膝丈のスカートに化粧も薄めに整えた。コートを脱いで手に持つ。結婚直後に夫から買ってもらったコートなので何年も前の物なのだが、裕美子は一番気に入っていた。それにこのコートを着ていれば、もし危険があっても夫が守ってくれそうな気がしたのだ。いわばお守り代わりだ。
(どこかでわたしを見張っているのか)
 ストッキングの足元から悪寒が上ってきた。まだ見ぬ男への不安の表れだ。バッグからハンカチを取り出して膝の上に広げる。

57ssgr00059-13.jpg


(知っている人に会わないことを祈るばかり)
 携帯電話が振動で着信を知らせると、裕美子は素早く公衆電話のある所に移動した。
「時間どおりに来ていただいてありがとうございます」
 また声の調子が少し変わっていて、今回は携帯からのようだ。やはりどこからか裕美子の姿を見ていたようだ。ロビーの柱時計がちょうど一時を指している。
(何かおかしい……)
 戸惑いの中で違和感をもった。
 あの男の記憶にあるのは十一年も前、まだ学生気分の抜けきらないころの自分の姿のはずだ。三十四歳になった自分をこれだけの人ごみの中からどうやって見分けたのだろうか。いくら体形がそれほど変わっていないとはいえ、さすがに十一年前とは髪型も服装の趣味もまったく違っているのに。
(何故すぐにわかったのかしら? こんなに人がいるのに……)


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