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女神の乳房 第21話

2008/04/09 21:12 



 すでに身体は熟し、男を受け入れる態勢はできている。裕美子自身も一気に突き立てて欲しいと思った。こんな愛撫が続くと失神してしまいそうだ。男は彼女の反応からそれを感じたのか、
「貴女の中に入りたい……」
 身体を起こし裕美子に重なりながら耳もとでささやいた。まだサングラスはかけているようだが、恋人のような甘い声だった。
「来て……。わたしも欲しいわ……、早く来て……」
 愛の告白のような男の言葉に、裕美子も素直に欲望を口にした。
 夫との間ではとても言えないセリフだが、恋人と愛を交わしている気持ちの彼女にとっては自然な答えだった。
 男は唇を重ね、先端を亀裂にあてがった。硬いものが触れた感触に続いて、快感というには強烈すぎるものが全身を貫いた。
「はあっ!」
 喉の奥にものが詰まったような声が裕美子の口から飛び出した。熱い塊に満たされ、息が止まるような思いだった。男のそれはゆっくりと根元まで入り、彼女の中で脈を打つ。
(ああ、満たされてる……。男の人が入っているわ……)
 股間から湧き上がる快感が、何か他人事のようだった。男の重み、吐息、そして充足感、まぎれもなく自分自身の身体なのだ、と認識するまで少し時間がかかった。
「自分が信じられない……。本当に貴女を抱いているなんて。遠くから眺めているだけの女神だった貴女が、今こうしてわたしの手の中にいる……。貴女の熱いものに包まれている……」
 吐息とともに裕美子の耳に吹きかけられた。
 男のものが脈を打つたびに女体に震えが走る。
(熱い……、硬くて熱いわ……)
 じわじわとこみ上げてくる快感を受け止めながら、裕美子は男の背中に手を廻してその肌の温もりを確かめた。
 浅くゆっくりと、感触を楽しむような男の動きに裕美子は腰をすり寄せる。弾力のある乳房をやさしく揉まれ、乳首を吸われた。男の指、肌からも愛情に似たものが感じられた。
(やっぱり信用して良かった……。この人は本当にわたしのことを思ってくれている……。自分の欲望を満たすよりも、わたしを悦ばせようとしてくれている……)
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 不意に男が愛しくなった。
 背中に廻した手に力を入れて男を抱き寄せ、自分から唇を求めた。積極的に舌をからめ、お互いの唾液を吸い合う。息苦しいほど激しいディープキスだ。歯と歯が当たり、カチカチと音を出す。
「素敵だ、裕美子さん……」
 唇を離した男は裕美子の髪を撫で、顔を付き合わせる。二人の吐息が混ざり合う距離だ。もう一度唇を合わせてから、男は裕美子の身体に舌を這わせる。
 首筋から鎖骨を舌が這う。白い肌にくっきりと浮き出た鎖骨のラインに沿って電流が走る。
「ううっ!」
 鎖骨の部分がこれほどの性感帯だとは思いもしなかった。男の愛撫は裕美子に新しい快感を与えていた。ほとんど全身を舐められているだろう。もちろん初めての体験だった。
「あっ、ああっ……。あっ、あっ……ん……ああっ!」
 いきなり真珠を触れられ、裕美子は泣くような声を上げた。ふやけるほどに舐められた真珠を挿入されたまま弄られているのだ。このまま続けられたらどうにかなってしまいそうだ。
「ああっ! だ、だめっ、ああ……、だめっ! あああああ……」
 男の指と腰の動きに合わせるように声が出てしまう。身体の昂ぶりに、のけぞりながら腰をくねらせる。妖艶な表情で三十四歳の成熟した白い肉体は悶えた。大地を這う白い大蛇のように。
「最高だ、裕美子さん。今の顔は女神そのものだ」
 指での愛撫を止め、男は裕美子の両足をグイッと大きく広げさせ、激しく腰を動かし始めた。
「あああ……、あうっ! いいっ、いいわっ!」
 足を開かされた自分の姿を思い浮かべると、突き上げられる快感がいっそう増すのだ。顔を歪ませ、裕美子の身体はさらに高い波に乗った。二人の身体がぶつかりあう振動で、乳房がブルブルと揺れる。
(こんなに乱れて……、主人に悪い……)
 夫の顔が頭の中に浮かんでくる。その幻影を振り払おうとする自分に、背徳的な快感を覚えた。



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