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女神の乳房 第18話

2008/04/03 17:17 


「なぜわたしにそんなことを……」
 カラカラになった喉から声を絞り出した。
「前にも言いましたが、わたしはあの時の貴女の美貌、その女神のような美貌に魅入ってしまったのです。それ以来貴女のことが頭を離れませんでした。疑心暗鬼が生んだ妄想から貴女を救い出したかったのです」
「それでわたしを探してまで……」
「ええ、もちろんそんな義侠心ばかりじゃないですけどね。手紙に書いたように貴女の身体という最終的な目的がありますけど……」
 マスクの中の唇が微笑んでいるようだった。
「お水を一杯いただけません? あんまり突然の事で興奮しちゃって、喉がカラカラなんです」
 初めて裕美子は微笑を浮かべた。暗闇の中にほのかに燈る明かりのような、心からの笑顔だった。 男が注いだオレンジジュースを、裕美子は一気に飲み干した。喉に染みわたる冷たさが心地よく、つっかえていたものを流してくれるような気がした。
「なんてお礼を言ったらいいのか……」
 ハンカチで口もとをおさえながら言う。




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テーマ : 官能小説 - ジャンル : アダルト

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