十字架上の貴婦人 第11話
――こ、こんなこと……
最も恥ずかしい部分が、蹂躙者の好奇の色に晒されているのだ。激しい恥辱が爆発的な勢いで肉体を犯し、それが肌を朱に染めた。
「あッ!」
ざらついた悪魔の舌先が、ピンクの肉襞に触れると、例えようのないおぞましさが背筋を貫いた。べったりと生温かい感触が、貴和子の肌を粟立たせた。
「へえ、感度も良さそうだな」
悪魔は吸盤のように唇を張りつけ、淡い亀裂の上を何度も往復させた。
粘っこい唾液が滴り落ちる感触、カサカサした唇に蜜が吸い上げられる音、それら一つ一つが貴和子を奈落へ叩き込んでいく。
「くっ、くうっ……」
苦痛を耐え忍び、恥辱を堪えるため息だけが、貴和子の口から漏れる。
快楽など微塵も感じることのない愛撫だ。それでも女体の生理は彼女の意に逆らい、雄を発情させる甘い蜜を流し続ける。
「嫌がってるようでも、身体は悦んでるみたいだな、奥さん」
猛り狂う顔を股座に突っ込まれると、貞淑な妻として保ち続けてきたプライドが粉々に打ち砕かれた思いがした。
蜘蛛に絡め取られた蝶が、羽根をむしられ手足をもがれたような地獄絵図、それがまさに今の貴和子の姿だった。
「ああ……、ほんとにたまんねぜ、あんたの身体、あんたのココ……」
剥き出しの亀裂が強引に押し開かれ、邪悪な舌先が侵入してきた。だが貴和子にそれを防ぐすべはないのだ。
「お願い、やめて、やめてぇ……」
無駄だとは分かりつつも、叫ばずにはいられない。
骨ばった指先がわき腹から背中、胸のあたりまで伸びてくる。しっとりと脂を内包した肌、弾力ある肉体が蝕まれ、男の指が動くたびに嘔吐感が増し、触れられた箇所が腐っていくような気がした。
「恥ずかしがることないぜ。じきに気持ちよくなるからよ」
淫液にまみれた唇が、いっそう貴和子を辱めていく……。
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