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女神の乳房 最終回

2008/07/10 13:50 

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 裕美子の身体に重なった貴彦は、乳房に顔を埋めた。小刻みな律動を続けながら乳首を吸い、包むように両手で乳房を揉む。
「あっ、あっ、あっ! あっ……ううっ!」
 変化のある動きが、裕美子に新たな快感を与えた。先ほどが大砲なら、今度は機関銃のような刺激だった。
「は……あぁ……、貴彦……さんっ! すぅ……、凄いぃぃ……」
 彼の頭を抱きこみ、太ももを腰にからめた。猛り狂う大蛇のような勢いで、若い雄を締めつける。
「絞られてるみたいで……、凄いよ、裕美子さん……」
 乳房から顔を上げ、陶酔した表情で裕美子に語りかける。抜き差しの速度がだんだんと速くなった。
「わ、わたし……、わたし……。もうっ、もう……」
 うわ言のように口走り、熟女は彼の身体にしがみつく。官能の大きな波が、裕美子のすぐそばまで来ていた。
「ああっ! ああぁ……! 素敵だわぁ……! 貴彦さんっ!」
 あごを突き出し、激しく首を振る。すすり泣きにも似た喘ぎが部屋中を木霊する。
「貴女も素敵だよ、裕美子さんっ」
 貴彦は再び乳房にむしゃぶりついた。ハアハアと荒い息を上げながら激しく乳首を吸う。
「おおっ……、おおっ! だめっ、もうだめっ……! あ……おおぉ!」
「裕美子さん……、好きだ、愛してるよぉ……」
 彼も寸前まで来ているのだろうか、ガムシャラな動きになった。
「好きよ、好きよ! ああっ……貴彦さぁ……ん!愛してるわぁ!」
 背中に立てた爪を、若肌に深くくい込ませる。自分の雄だという刻印を押しているようだ。
「はあっ! 来るわぁ……来るっ! 凄い、凄いのが……、あおおぉ…!」
「裕美子さんっ、裕美子さんっ!」
「あっ……ひいっ! おおおっ! い、いっ、ちゃうぅ……!」
 押し殺した自分の叫びと同時に、裕美子は体内に注ぎ込まれた熱量を感じた。全身を貫く激しい痺れとともに身体が硬直し、白一色だった頭の中に一瞬だけ火花が散り、そして黒く沈んでいった。
 しばらくの間、じっと身体を重ねていた貴彦がゆっくりと離れていく。おぼろげな意識の中でも、それは感じることができた。前の二回とは違って、気を失うことはなかった。
 何故なのだろうか、彼の愛撫の仕方に変わりがあったとは思えない。抱かれている最中には何度も気が遠くなったのだ。やはり義理の息子の部屋だという緊張感なのか、身体の悦びとは別に、心の底から奔放になりきれない自分がいた。
 しだいに意識がハッキリしてくると、涙がこぼれてきた。自然と嗚咽の声が洩れてしまう。先ほどの歓喜の声質とは明らかに違う。
「どうしたの……?」
 心配そうに顔を覗きこむ貴彦に、裕美子は背を向けて手で顔を覆った。

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「主人に……申し訳ないわ……。それに……、自分自身を抑えきれないのが情けなくて……」
「そんなに、気にすることないよ」
 貴彦がベッドを離れた気配がし、裕美子の火照った裸身に柔らかな毛布が掛けられた。カチッと音がして、ふわっと室内が明るくなる。彼が煙草に火を点けたようだ。
「これは言うつもりはなかったんだけど……」
 ふうっと煙を吐き出す音とともに、彼女の背中に貴彦の声が届いた。声の方向に身体を向けると、彼はバスタオルを腰に巻いてソファに座っていた。蛍の光のようなのは煙草の火だろう。
「実は……、親父の奴、浮気してるんだ……」
 えっ、という顔をして裕美子は上半身を起こした。毛布がずり落ち、平静を取り戻しつつある乳房が露出した。
(浮気だなんて……、そんなはずは……)
 裕美子の困惑をよそに、貴彦は厚みのある茶封筒を差し出してくる。
「これは?」
 封を切ってある茶封筒には書類らしきものがかさばっている。けっこうな重さもある。
「僕が写したんだよ。あんまり裕美子さんを驚かせたくないから見せるつもりはなかったんだけどね」
 紫煙を吐く貴彦が表情で促した。中には数枚の写真が入っている。
「これっ!」
 悲鳴のような声が室内に響く。
「やっぱり驚いたでしょう? 僕だって信じられなかったんだから」
 確かにそうだろう、現に写真を見ている裕美子にも信じられない。事実は小説より奇なり、だ。
 腕を組んでホテルへ入る男女。スーツ姿の夫に寄りかかっている長身の女はまぎれもなく美登里だった。しかも裕美子の知っている美登里ではなく、あの日ホテルで見た別人のようになった美登里の姿で。
「まさか……、あの人と美登里さんが……」
 にわかには信じられないが、こうして証拠もあるのだ。
「主人と美登里さんが……」
 裕美子はもう一度呟いた。
(やっぱり回復してたのね……。それなのに、それなのにわたしには内緒にして……)
 だんだん怒りと不信感が湧いてきた。何年もの間、自分を騙し続けてきた夫に対して、そしてその共犯の美登里に対しても……。貴彦のショックも大きかっただろう、それは察するに余りある。
「だから……、だから貴女だけがそんなに悩む必要はないんだ。それに、いざとなったら裕美子さん一人ぐらい僕が養えるから……。もちろん今みたいな暮らしはできないけど……」
 煙草を揉み消し、裕美子のそばに腰を降ろした。
「そうね……、わたしにはあなたがいるものね……」
 肩を抱かれると、先ほどの愛撫を思い出し、いっそう貴彦が頼もしく思われた。裕美子はその厚い胸板に顔をすり寄せた。

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                          エピローグ

 貴彦の部屋で一夜を共にしてから一週間が過ぎた。
 今のところ裕美子の生活に大きな変化は起きていない。表面上は普段どおりの日常が続いている。
 ただ彼女の内面には生活の張りのようなものができた。
 歯の浮くような言葉、逞しい肉体の愛撫、そしてあの悦び……。萎れてかけていた花が水を与えられ、陽光を浴び、かつての美しさを取り戻していくように。
 夫と美登里のことを知ったのは結果的には良かったようだ。
 自分ばかりが良心の呵責を感じなくてすむ。夫も好きなことをしているのだ、しかも自分に嘘までついて。それもただの嘘ではない、夫婦にとって致命的とも言える嘘なのだ。夫は自分を騙し続けていると思っているだろうが、それはそれで結構なことだ。自分は夫にばれないように、今の生活を壊さない範囲で貴彦と上手くやっていこうと思っている。
 裕美子としては毎日でも彼に会いたいし、彼の方でもそう思ってくれている。ただ貴彦も仕事があるのでそう頻繁に会うわけにもいかない。しかし電話での連絡は毎日取り合っている。
 今の彼女にとって貴彦は全てを許しあえる「恋人」であり、秘密を共有する「共犯者」であった。
 そして今日、一週間ぶりに会う約束をしている。昼前に裕美子がアパートへ行き、一緒に昼食を取って夜まで二人で過ごすのだ。彼女の胸は高鳴った。きっと彼も同じ思いだろう。
 溜まった情熱をぶつけ、渇いた身体を癒し合うのだ。化粧をしながらも自然と鼻歌が出てしまう。身支度を整え、姿見の前に立ってポーズを決めてみる。
 少し短めのタイトスカートに白のセーター。春らしい装いだ。
「そろそろ出かけるわね」
 鏡の中の貞淑な人妻に声をかけてハンドバッグを手にした。ハイヒールを履き、玄関の施錠を終えた裕美子は、妖しい微笑を浮かべ、恋人に会いに行く成熟した一人の女になっていた。

                            了

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No:21 2008/07/14 17:58 | #[ 編集 ]

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