女神の乳房 第9話
「お父さんお留守なの?」
受話器を置く貴彦を見て美登里は言った。
シャワーを浴び終え、バスタオルを巻いただけの姿で缶ビールを手にしている。
「うん、一週間ぐらい出張らしいんだ」
ベッドに座って足を組む。形の良い膝頭とふくらはぎが貴彦の目を刺激した。
「でもお義母さんって綺麗な人ね、わたしと違って色白だし」
そう言うと、美登里は缶ビールを貴彦に手渡した。
「え? 何だよ、いきなり」
「ううん、綺麗な人だなって。わたしとそんなに歳も変わらないのに……。お義母さんなんて呼んだら失礼かしら。あんなに綺麗だし……。」
貴彦はビールをテーブルに置き、
「君といい勝負だね」
美登里の肩に腕を廻しながら言う。
潤いを帯びた肌はスベスベとしていて手のひらに心地よい。美登里も彼の手に自分の手を重ねた。
「それはそうと今日は泊まっていけるんだよね」
「ええ、母は兄夫婦の所へ行ってるから……。わたしは会社の慰安旅行だって嘘ついちゃったわ」
いたずらを見つけられた子供のような表情浮かべ、彼女は貴彦にしなだれかかる。
「貴彦。わたし、とっても幸せよ……」
「もっともっと幸せにするよ」
耳もとでささやきながら美登里のバスタオルを剥ぎ取る。
露わになった乳房を揉みしだくと、くうん、彼女が鼻を鳴らすような喘ぎを漏らした。張りつめた乳房は貴彦の手のひらをはねかえすほどの弾力をもっていた。美登里とともにベッドに倒れこむ。
「あ……、電気を消して……」
「いいじゃないか、きれいな身体なんだから」
芳香を放つ三十歳の美登里の肉体は、すでに彼を夢中にさせていた。
「だめよ……、恥ずかしいわ」
しぶしぶ電気を消し、再び美登里の身体に戻る。今度は安心して彼の重みを受け止めた。
「ああっ、貴彦!」
窓から忍び込む月明かりが熱くからみ合う二人の身体を照らしていた。暗い部屋からは、貴彦の息づかいと、美登里の喘ぎ声だけが響いていた。
昼間は仕事をしている美登里は、夜か土日しか自由な時間が取れない。しかし、同居中の母の体調が最近思わしくなく、できるだけ外出は控えている状況だった。だから外回りの途中で抜け出してきた貴彦と待ち合わせ、時間を気にしながら慌ただしく愛を交わすことが多い。今夜のようにゆっくりと過ごせるのはごく稀なことなのだ。
美登里は膨張した男のものを口に含み、軽く上下に動かす。浮き出た血管が舌の動きとともにピクピクと跳ねる。唾液の音を立てながら、いとおしむような愛撫だ。赤く彩られた唇が艶かしい動きをする。丹念な愛撫に貴彦のそれは爆発しそうなほどに膨れ上がる。
「貴彦の破裂しそう、こんなに大きくなっちゃって」
ベッドに横たわる男の身体をまたぎ、美登里はそれを掴んで自分の豊潤な蜜壺に誘った。堅いものがズブズブと入ってくる感触に、思わず声を上げた。
「美登里の中、熱いよ」
下から持ち上げるように乳房を揉む。掌に余るほどの豊かな感触を楽しみながら乳首をつまむと、すでに堅くなっていた。
美登里が腰を動かす。上下にではなく、前後左右に自分の突起を押しつけるように。貴彦の肌にこすられた突起が、鋭い刺激を自分の肉体に与えてくれるのを彼女の身体は覚えていた。腰を軸にして踊るような動きをする美登里の喘ぎ声が、その踊りのリズムをとっているようだ。
「はあっ、はあっ、あうっ!」
呼吸音とも喘ぎとも感じられる声を発し、美登里の踊りはますます激しさを増した。時おり髪をかき上げ、乳房を揉む貴彦の手に自分の手を重ね、台風のように荒れ狂った。
「今日の美登里は特に素敵だよ」
いつも以上に美登里は燃えている、それが貴彦にはわかった。明日の夕方まで時間はたっぷりある。時間を気にせずに愛し合える機会はめったにないのだ。
「なんか……、ああっ! 今日のわたし、ヘンだわ。ああっ、ヘンよっ!」
息を弾ませながら喘ぐ美登里。魂の、欲望のおもむくまま乱れ、疲れきって眠ってしまってもいいのだ、彼女の激しい動きがそう言っている。もとより貴彦も、今日は精根尽きるまで愛し合う、と決めていた。
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