金色の背徳 第38話
その夜、涼子はベッドで凄まじく乱れた。
これまでの鬱憤を晴らすように、そして不安を追い払うように悶え狂ったのだ。
駿策の勧めに従って目的駅の三つ前で下車し、タクシーを二回乗り換えて彼の待つホテルへ向かった。
彼の提案で、駿策はツイン涼子はシングルと、あえて部屋も別々に取った。念には念を入れ、細心の注意を払ったのである。
二人はホテルのレストランで食事の後、最上階のバーで軽く飲み、今後について語り合った。思っていた以上に、駿策が自分のことを案じていてくれたことが心に染みた。
「今夜はたっぷり時間もありますから。ね、涼子さん」
「ええ……、新しいスタートの夜に、あなたと二人だけで過ごせるなんて……。昨日まで考えられなかったことだもの。嬉しいわ……」
二人だけにしか分からない淫靡な笑みを交わした後、涼子は彼にしなだれかかるようにして部屋へ入ったのだ……。
「あッ、あッ、ああッ――!」
年下の男に跨り、涼子は豊満な熟尻を激しく揺らした。乱れる髪を何度もかき上げ、下からの乳房の愛撫によがり声を抑え切れない。
「駿策……さぁん……! は、ああッ! すごい、わぁ……」
深く突き刺さった彼の肉棒に、喉元までえぐられるような感触がたまらなかった。
わずか一週間ぶりの逢瀬だが、何年も会っていないような錯覚がある。それだけ渇いていた証なのだろうか。
たわわに実った双乳が、悶える身体に合わせて妖しく躍動する。白いもち肌には玉のような汗が浮かび、それらが彼女の肢体に光沢を与えた。
「わ、わたし、わたしぃ……!」
全身に鋭い悦びを感じる一方で、骨が溶けるような脱力感もあった。涼子は彼に全身を預け、夢中で唇を求めた。
ネチャネチャと音を立てて舌を絡め合い、唾液を吸い合った。
「あ、ふうッ、駿策さん! ああッ、好きよ、好きよぉ!」
駿策の手が彼女のヒップを押さえ、グイグイと下から突き上げてくる。密着させた下半身に、最も敏感な部位が擦られると、
「んんッ――!」
自分でも怖くなるほど五官が研ぎ澄まされていた。
ベッドイン直後、彼の舌技ですでに一度昇天した涼子だが、今夜は何度でも味わいたかった。精魂尽きるまで貪り合い、何も考えずに彼の腕の中で眠りたいと思った。
「涼子さん、今夜は特に凄いよ……。まるで獣みたいだ……」
彼女の勢いに圧倒されたように、駿策は呼吸を乱しながら言った。
「ああッ……! あなたが、あなたがわたしを獣にさせるの……よォ!」
廉恥な自らの言葉に興奮した熟女は、さながら牝獣のように彼の顔を舐め尽した。駿策の汗も匂いも、すべて自分のものにしたかったのだ。
――この人とは離れられない――
めくるめく悦楽の中で涼子は思った。
駿策との歳の差は埋めようもないが、この激しくも甘い交わりさえあれば、若々しくあり続けられる自信が彼女にはあった。
三十八歳になるこれまで、それなりに男たちとの経験はあるが、駿策ほど悦びと安心を感じる相手には巡り会わなかったし、これからも現われないだろう、涼子は官能の渦の中で思った……。
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